運営者紹介
『家の女たち』について

平成13年、熊谷家住宅の保存修理工事が始まると同時に、残されていた家財の運び出しと調査を行うことになりました。大田市のパート職員として集まったのは、地元の素人の女性7名でした。家財道具の掃除、調査、展示作業、一般公開(平成18年)後の管理と館内ガイドをつとめ、平成23年、任意団体家の女たちを結成。大田市の指定管理業務を受けて、建物の維持・管理、体験学習、文化財を活用した催しの企画・運営などを行ってまいりました。
たくさんの方々に文化財に触れる機会を提供すること、そして、文化財およびそこで営まれてきたくらしを未来後世に良好な形で伝えていくことを基本方針として、平成28年4月、合同会社家の女たちを設立いたしました。
■社名
合同会社 家の女たち
■主な事業
- 文化財の維持、管理に関する事業
- 文化財の一般公開に関する事業
- 展示の企画と展示品の制作、制作指導に関する事業
- 催しの企画、運営に関する事業
- 文化財等の調査、研究および報告と成果物の刊行に関する事業
- 土産物、雑貨などの商品開発及び製造、販売に関する事業
- 観光情報の提供及び観光案内に関する事業
ほか
■役員
業務執行社員 太田洋子
業務執行社員 尾村七恵
代表社員 太田洋子
■所在地
〒694-0305 島根県大田市大森町ハ63番地
■資本金
金250万円
■設立
平成28年4月1日
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館長あいさつ

建築としての文化財の持つ意義は、まず建物そのものにあります。文化財に指定されている住宅はいずれも時代を代表するすぐれた建物ですから、建築として美しく、技術的にも高く、その時代の建築文化を伝えるものです。
したがって建物だけでも大きな意味があるわけですが、住宅の場合はそれだけでは充分とはいえません。というのはくらしがないからです。住宅は生活の器です。このためその家の中でどのような生活が営まれたかを示すことが必要なのです。季節ごとのしつらい、家具の配置、食生活、衣生活、行事、病気の時、家族や親戚関係、そうしたさまざまなことがわかって、はじめてその家、その地域、その時代について理解することができるのです。
そこで熊谷家住宅では、建物のすばらしさとともに、熊谷家の歴史と、熊谷家も含めた石見地方のくらしについても、さまざまな形で紹介していきたいと考えております。それも見学するだけでなく、出来るだけ皆様にも参加して頂けるようにして行きたいと考えています。
さいわい熊谷家住宅には、こうしたことができる「家の女たち」がおります。彼女たちは平成13年にはじまった熊谷家住宅の保存修理工事以来、家財調査、開館準備を続けてきて、開館後は日常の管理から催事、小中学生から大学生までの体験学習の指導、市長主催の晩餐会等々と、熊谷家住宅の運営一切をやりこなしてきました。このため一人一人が熊谷家の主婦、昔でいえば家刀自(いえとうじ)のような力をそなえております。
その力で、これからも熊谷家住宅が大田市や島根県ばかりでなく、日本全国、さらには世界遺産で訪れる世界各国の人々にとっても懐かしい故郷の家となるように頑張って行きたいと考えています。どうかみなさまもお力をおかし下さい。
館長の紹介
小泉和子(こいずみ かずこ)
- 昭和8(1933)年 東京都生まれ
- 工学博士・元京都女子大学教授
- 昭和のくらし博物館館長
- 家具道具室内史学会会長
- 家具・道具・建築を中心として生活史を研究
- 全国各地の重要文化財建造物の家具・インテリアの復元および博物館・資料館の展示 企画などを行う。
- 著書に
- 『室内と家具の歴史』(中央公論社)
- 『箪笥』(法政大学出版局)
- 『家具』(東京堂出版)
- 『イギリスの家具』(訳/西村書店)
- 『昭和台所なつかし図鑑』『別冊太陽 和家具』(平凡社)
- 『昭和のくらし博物館』『ちゃぶ台の昭和』『昭和の家事』(河出書房新社)
- 『占領軍住宅の記録』(住まいの図書館出版局)
- 『洋裁の時代』『「日本の住宅」という実験』(農文協)他。